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【6月11日の香港市場】

2019.06.11 17:38

 主要指数はそろって続伸。ハンセン指数は4日続伸し、前日比0.76%高の2万7789.34ポイントだった。中国企業指数(旧H株指数)は2日連続の上昇で、0.88%高の1万620.13ポイント。メインボードの売買代金は前日とほぼ変わらず、概算で916億200万HKドル。「港股通」(本土からの香港株投資)の買越額は上海経由が28億900万元、深セン経由は12億5000万元にそれぞれ増加した(注文ベース:買注文と売約定の差)。

 メキシコへの関税引き上げ見送りに加え、月末のG20での米中首脳会談開催に意欲を示すトランプ大統領の発言などが材料視され、米国発の通商摩擦拡大リスクが引き続き後退。前日の米国株市場は主要3指数が続伸したほか、本日の香港株市場も外部環境の改善を支えに堅調な地合いが続いた。また、中国政府の財政出動への期待感から本日のA株市場が大幅高となったことも追い風になった。ハンセン、中国企業の両指数は前場で上げ幅を広げ、後場も堅調に推移した。

 商い回復期待からA株市場で証券株が上昇。これに連れ高し、海通証券(06837.HK)が7.73%高、中国銀河証券(06881.HK)が7.74%高、中信証券(06030.HK)が4.90%高など、証券大手が買い進まれた。香港での売買代金増加も織り込まれ、香港交易所(00388.HK)が2.63%高でハンセン指数構成銘柄の上昇率1位。大型IT企業のアリババグループの香港上場観測も材料視されており、アリババ傘下の阿里健康(00241.HK)が3.64%高、阿里巴巴影業(01060.HK)が4.96%高と思惑買いが入った。このほか、証券当局による大型銀行の優先株発行承認、中央銀行による中小銀行への流動性供給など、銀行重視の政策動向が好感され、盛京銀行(02066.HK)が3.43%高、招商銀行(03968.HK)が1.44%高、中国工商銀行(01398.HK)が1.58%高など、銀行セクターが堅調だった。

 また、財政出動によるインフラ投資拡大を見据え、建設・建機・セメント株が上昇。中国中鉄(00390.HK)が7.81%高、中聯重科(01157.HK)が8.38%高、中国建材(03323.HK)が7.14%高だった。

 一方で前日買われた石油大手の中国海洋石油(00883.HK)に戻り売りがみられ、ハンセン指数構成銘柄の下落率3位となる0.62%安で取引を終了。マカオのカジノ大手であるサンズチャイナ(01928.HK)も同じく反落し、0.53%安に沈んだ。輸出関連株の一角も反落し、冠捷科技(00903.HK)が2.11%安、申洲国際(02313.HK)が0.15%安だった。(投資調査部・畦田)
 
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