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【6月5日の中国本土市場】

2019.06.05 16:52

 主要指数はまちまち。上海市場は上海総合指数が5日続落し、前日比0.03%安の2861.41ポイント。B株指数は5日ぶりに反発し、0.24%高の282.46ポイント。深セン市場は深セン成分指数が6日続落し、0.02%安の8746.04ポイント。B株指数は3日ぶりに反発し、0.31%高の921.64ポイントだった。両市場の売買代金は昨日に比べ約4%減少し、概算で4078億元。「滬股通」(香港経由の上海A株投資)と「深股通」(香港経由の深センA株投資)はいずれも買い越しが続いた。買越額はそれぞれ24億600万元、8億6100万元だった(注文ベース:買注文と売約定の差)。

 オーストラリア中央銀行が政策金利を引き下げ、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長も利下げの可能性を示唆。主要中銀のハト派的路線に中国も追随する可能性があり、今月中の預金準備率引き下げの確率が高まったと専門家が分析した。金融緩和への期待から上海総合指数は概ねプラス圏で推移。ただ、米中貿易摩擦の先行き不透明感が晴れていない状況下で、積極的に買い進む展開にはならず、小幅安で引けた。上海・深センの両市場はいずれも全体の5割弱の銘柄が上昇。大型株で構成される上証50指数は0.06%安、中小企業板指数は0.20%安、創業板指数は0.34%安だった。

 セクター別では、金利変動に敏感な不動産株が堅調。金融緩和による資金調達コストの低下を見込んで、保利房地産(600048.SS)が3.37%高、万科企業'A'(000002.SZ)が2.77%高。このところ軟調が続いた建設資材も底堅い。洛陽玻璃'A'(600876.SS)が5.41%高、祁連山セメント(600720.SS)が2.01%高。また、鉱業関連株も買われた。産金株の山東黄金'A'(600547.SS)が2.41%高、レアアース関連の五砿稀土(000831.SZ)が1.47%高だった。そのほかテーマ株では、5G(第五世代移動通信)関連銘柄が堅調。5G商用ライセンスの早期交付期待から国脈科技(002093.SZ)がストップ高、中興通訊'A'(000063.SZ)が5.21%高、中国聯通(600050.SS)が3.26%高だった。

 一方、製薬関連株は軟調。ST康美薬業【売付のみ】(600518.SS)の不正会計発覚をきっかけに、製薬会社77社に対して当局が会計検査に乗り出したことが、売り材料視された。任意抽出の77社に含まれる天士力医薬(600535.SS)が8.62%安、恒瑞医薬(600276.SS)が4.88%安、復星医薬'A'(600196.SS)が4.60%安だったほか、ST康美薬業【売付のみ】は12営業日連続安となり、5.02%安だった。個別銘柄では、重慶長安汽車'A'(000625.SZ)が4.41%安。米フォードとの合弁会社に対し、独占禁止法違反で中国当局が罰金を科す方針を示し、売り材料視された。

 上海・深センB株市場はそれぞれ全体の6割、5割の銘柄が上昇した。(投資調査部・李)
 
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