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【5月30日の香港市場】

2019.05.30 17:29

 主要指数はハンセン指数が続落し、前日比0.44%安の2万7114.88ポイント。一方の中国企業指数(旧H株指数)は0.57%高の1万450.09ポイントと反発した。メインボードの売買代金は前日比で約8%減少し、概算で764億3500万HKドル。「港股通」(本土からの香港株投資)の買越額は上海経由が12億7700万元、深セン経由が3億9500万元にそれぞれ減少した(注文ベース:買注文と売約定の差)。

 足元の下げ相場で値ごろ感が広がり、本日の香港株市場はハンセン、中国企業の両指数が小幅に反発して寄り付いた。もっとも、米国への対抗措置として中国政府がレアアース輸出制限に踏み切るとの警戒感が広がり、前日の米国株市場は主要3指数が続落。外部環境は引き続き振るわず、ハンセン指数はすぐに下げに転じると、大引けまでマイナス圏での小動きが続いた。一方の中国企業指数は銀行・石油セクターなどの大型株が下支えとなり、前引けにかけて上げ幅を再び拡大。後場も堅調に推移した。

 米アップル社の中国事業低迷への警戒感が広がり、アップル関連株が安い。スマホ部品大手の舜宇光学科技(02382.HK)が2.82%安、瑞声科技(02018.HK)が1.30%安。スマホ関連株が全般的にさえず、中興通訊(00763.HK)が5.28%安、小米B(01810.HK)が1.81%安だった。足元の株安による手数料収入の減少が織り込まれ、国聯証券(01456.HK)が1.48%安など、中小の証券株がさえない。足元の急ピッチな人民元安が嫌気され、中国東方航空(00670.HK)が2.71%安、中国南方航空(01055.HK)が2.12%安など、航空セクターも売られた。

 一方で本土系銀行株が買われ、ハンセン指数の下げ幅縮小とH株指数反発に寄与した。中国人民銀行(中央銀行)トップの発言を通じて中小・民営企業向け融資の拡大が織り込まれると、交通銀行(03328.HK)が1.98%高、中国工商銀行(01398.HK)が1.26%高、中国銀行(03988.HK)が1.24%高でハンセン指数構成銘柄の上昇率上位に並んだ。米国の原油在庫減少を受け、原油相場反発の期待感から中国海洋石油(00883.HK)が1.08%高、中国石油天然気(00857.HK)が0.67%高、中国石油化工(00386.HK)が0.53%高と、三大石油株が上昇した。

 個別ではスポーツ用品大手の安踏体育用品(02020.HK)が5.53%安。空売り機関の創業者が同社株の売りを推奨したと伝わり、リスク回避の売りにつながった。対照的に高速道路会社の深セン高速道路(00548.HK)が1.96%高。主力道路の4月の通行料収入・交通量が前年同月を上回り、買いが優勢だった。(投資調査部・畦田)
 
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