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【12月12日の香港市場】

2018.12.12 17:41

 主要指数はそろって上昇した。ハンセン指数は続伸し、前日比1.61%高の2万6186.71ポイント。中国企業指数(旧H株指数)は6営業日ぶりに反発し、1.68%高の1万417.16ポイントだった。メインボードの売買代金は前日比で7%増加し、概算で694億9700万HKドル。「港股通」(本土からの香港株投資)は上海経由が2億6100万元の売り越しに転じたが、深セン経由の買越額は8億200万元に増加した(注文ベース:買注文と売約定の差)。

 本日の香港株市場は主要指数が高く寄り付くと、その後も堅調に推移。ハンセン指数は3日ぶりに2万6000ポイントを回復して取引を終えた。中国が米国車の輸入関税引き下げを検討との消息筋情報が流れたほか、米中交渉に前向きな姿勢を示したトランプ大統領の発言、カナダの裁判所による華為技術CFOの一時保釈決定などが米中摩擦懸念の後退につながり、幅広いセクターに押し目買いが入った。

 来年の経済政策方針を決める中央経済工作会議が近く開かれるとの観測が流れ、中国の金融緩和への期待感から不動産株が物色された。華潤置地(01109.HK)がハンセン指数構成銘柄の上昇率1位となる6.57%高となり、中国海外発展(00688.HK)が5.24%高、碧桂園控股(02007.HK)が3.16%高。中国の11月の新規貸出額、社会融資総量がいずれも市場予想を上回り、中国工商銀行(01398.HK)が2.22%高、中国民生銀行(01988.HK)が1.45%高、中国郵政儲蓄銀行(01658.HK)が1.12%高など、銀行株が堅調だった。

トランプ大統領による批判を背景に米国の利上げ観測が後退。人民元相場の先高観につながり、中国南方航空(01055.HK)が1.35%高、中国国際航空(00753.HK)が0.95%高など、航空株が上昇した。華為技術CFOの保釈を受けて中国5G(第五世代移動通信)産業をめぐる不透明感が和らぐと、足元の旺盛な設備投資を材料に関連銘柄が上昇。中国鉄塔(00788.HK)が7.03%高、京信通信(02342.HK)が5.51%高、中国聯通香港(00762.HK)が1.26%高だった。冬季の暖房需要増を織り込み、華潤燃気(01193.HK)が6.95%高、中国燃気(00384.HK)が4.57%高、新奥能源(02688.HK)が3.60%高と、都市ガス大手が好調だった。

 一方で衛生用品大手の恒安国際(01044.HK)が5.70%安でハンセン指数構成銘柄の下落率1位。粉飾決算疑惑の浮上で急落し、前引けを待たずに売買停止となった。アナリストの弱気見通しを背景にマカオのカジノ株が振るわず、サンズチャイナ(01928.HK)が2.67%安、ウィンマカオ(01128.HK)が1.74%安、銀河娯楽(00027.HK)が0.39%安。個別では自動車大手の東風汽車集団(00489.HK)が0.44%安で取引を終え、11月の販売台数の減少が悪材料視された。(中国部・畦田)
 
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