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【8月10日の香港市場】

2018.08.10 17:42

 主要指数はそろって5営業日ぶりに下落。ハンセン指数は前日比0.84%安の2万8366.62ポイント、中国企業指数(旧H株指数)は0.69%安の1万943.08ポイントだった。メインボードの売買代金は前日比で約7%減少し、概算で847億4700万HKドル。「港股通」(本土からの香港株投資)は上海経由が売り越しに転じ、売越額は6億9800万元。深セン経由は1億9500万元の買い越しだった(注文ベース:買注文と売約定の差)。

 トルコ、アルゼンチンを含む新興国通貨が対米ドルで大幅に下落したことを受け、新興国経済への警戒感から前日の米国株市場はダウ平均が続落した。さらに本日の人民元レートも対米ドルで大幅に下落。米中通商摩擦の懸念も加わり、週末の香港株市場は戻り売りが優勢の一日になった。ハンセン、中国企業の両指数は後場で下げ幅を広げ、取引を終了。中国企業指数は1万1000ポイントを再び割り込んだ。

 香港地場の銀行株が利益確定売りに押され、恒生銀行(00011.HK)がハンセン指数構成銘柄の下落率1位となる3.50%安、東亜銀行(00023.HK)が同3位の2.57%安。手抜き工事などの問題が明るみとなった香港鉄路(00066.HK)が引き続きさえず、2.19%安に沈んだ。大型台風の影響が警戒され、銀河娯楽(00027.HK)が1.65%安、新濠国際(00200.HK)が1.55%安、サンズチャイナ(01928.HK)が1.15%安など、マカオのカジノ株が軟調だった。人民元安を嫌気し、中国南方航空(01055.HK)が3.63%安、中国東方航空(00670.HK)が3.06%安など、中国の航空大手3社が下落。また、華電国際電力(01071.HK)が8.16%安、華能国際電力(00902.HK)が3.46%安、中国電力国際発展(02380.HK)が3.24%安など、電力大手が売られた。

 一方で上海市の住宅ローン金利の引き下げが伝わり、本土系不動産株が上昇。中国海外発展(00688.HK)が2.58%高、華潤置地(01109.HK)が1.07%高、碧桂園控股(02007.HK)が0.85%高で、ハンセン指数構成銘柄の上昇率上位に並んだ。広州富力地産(02777.HK)は中間期の好業績見通しも材料に5.62%高。

 このほか、通信大手の中国移動(00941.HK)は中間決算が引き続き好感され、0.77%高。基地局整備会社の中国鉄塔(00788.HK)はアナリストによる強気の投資判断を材料に、1.56%高で取引を終えた。(中国部・畦田)
 
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