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【6月29日の香港市場】

2018.06.29 17:48

 主要指数はそろって上昇。ハンセン指数は続伸し、前日比1.60%高の2万8955.11ポイントだった。中国企業指数(旧H株指数)は7日ぶりに反発し、1.88%高の1万1073.00ポイント。メインボードの売買代金は昨日に比べ約2%減少し、概算で1152億9500万HKドル。「港股通」(本土からの香港株投資)はそろって買い越しに転じ、買越額は上海経由が6億8700万元、深セン経由が19億6100万元だった(注文ベース:買注文と売約定の差)。

 ニューヨーク市場はダウ平均が反発。米中通商摩擦をめぐる目立ったニュースがなく、自律反発狙いの買いが優勢となった。金融やIT(情報技術)の関連銘柄が堅調だった。こうしたなか、中国人民銀行の金融政策委員会が4-6月期の例会を開き、ニュースリリースを発表。流動性についての記述が、これまでの「適度な安定」から「流動性の適度な余裕を維持」に変わり、金融緩和のシグナルと受けとめられた。

 週末ということもあり、香港市場の主要指数は低く寄り付いたが、中国本土系の銘柄を中心に買いが入り、すぐに上げに転じた。中国本土の金融緩和への期待感を背景に、上海総合指数が上昇したことが追い風となった。香港の主要指数は前場の中盤にかけて上げ幅を拡大。その後は高値圏で推移した。中国企業指数の終値は3日ぶりに節目の1万1000ポイントを回復。本土マネーの動きが活発化し、「港股通」の売買代金がメインボード全体に占める比率は約13%に上った。

 ハンセン指数の構成銘柄では、昨日まで大幅安が続いた碧桂園控股(02007.HK)が反発し、本日は上昇率1位の11.29%高。本土系不動産株は売られ過ぎていると指摘するアナリストが、買いを推奨したことを好感した。また、悪材料の一つだった人民元安が一服したことも影響したもようだ。同業の華潤置地(01109.HK)は上昇率3位の5.37%高、中国海外発展(00688.HK)は同6位の4.86%高だった。

 スマート部品メーカーはそろって続伸。瑞声科技(02018.HK)が上昇率2位の6.45%高、舜宇光学科技(02382.HK)が同4位の4.96%高だった。米アップルが中国市場をターゲットに、デュアルSIMのスマートフォンを発売するとの憶測が流れ、これが材料視されたもようだ。テンセント(00700.HK)は3.90%高。5G(第五世代移動通信)をめぐり、通信設備大手と戦略提携したことが材料視された。ニューヨーク市場でIT株が買われたことも、支援材料となった。一方、香港系不動産株が軟調。新築の空き物件に対する課税政策が警戒された。(中国部・千原)
 
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