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【3月16日の香港市場】

2018.03.16 17:56

 主要指数はそろって反落。ハンセン指数は前日比0.12%安の3万1501.97ポイント、中国企業指数(旧H株指数)は0.36%安の1万2673.07ポイントだった。メインボードの売買代金は昨日に比べ約30%増加し、概算で1436億6300万HKドル。「港股通」(本土からの香港株投資)はいずれも買い越しとなり、買越額は上海経由が4億800万元、深セン経由が11億1800万元だった(注文ベース:買注文と売約定の差)。

 ニューヨーク市場は経済指標の改善などを手がかりに、ダウ平均が4日ぶりに反発。ただ、トランプ政権が対中貿易で最低でも300億米ドルの輸入関税を検討していると伝わり、米中貿易摩擦の激化に対する警戒感が続き、本日の香港市場は主要指数が低く寄り付いた。ハンセン指数は朝方や後場で上げに転じる場面もあったが、総じてマイナス圏で推移。中国企業指数は小幅安まで戻す場面もあったが、さえない展開だった。商いが昨日に比べ大きく膨らんだなか、本土マネーの動きは鈍化。「港股通」の売買代金がメインボード全体に占める比率は約9%にとどまった。

 ハンセン指数の構成銘柄では、香港交易所(00388.HK)が下落率1位の2.62%安。上海証券取引所が海外上場のIT大手企業や大型の未公開企業の上場誘致を強化する方針を示し、これが売り材料となった。海外籍ニューエコノミー企業の中国本土上場を誘致するため、中国預託証券(CDR)制度の導入が検討されているなか、アリババ・グループが中国本土での上場を検討中と外電が報道。香港交易所はニューエコノミー企業の上場誘致に向け、議決権種類株の導入などを進めていたが、上海証券取引所という強力なライバルが出現した格好となった。

 一方、電能実業(00006.HK)が上昇率2位の3.26%高。17年12月本決算の期末配当に加え、特別配当を発表したことから、後場で急伸した。192.48%増益の17年12月本決算を発表した中国聯合網絡通信(香港)(00762.HK)は上昇率3位の1.46%高。復配を決定したことがポジティブサプライズとなったほか、混合所有制改革が業績回復につながっているとアナリストが評価し、これを好感したもようだ。また、170.32%増益の17年12月本決算を発表した太古A(00019.HK)も買われ、0.86%高だった。本土系不動産株の上昇が目立ち、碧桂園控股(02007.HK)が上昇率1位の4.67%高、華潤置地(01109.HK)が同4位の0.87%高、中国海外発展(00688.HK)が0.53%高だった。

 そのほかの銘柄では、創維数碼控股(00751.HK)が後場から取引を再開し、5.33%高。傘下企業がIT大手の百度(バイドゥ)から約10億元の出資を受けることになり、これが材料視された。出資を受けた傘下企業はスマートテレビシステムと関連付加価値業務を手がけているという。(中国部・千原)
 
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