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【3月5日の香港市場】

2018.03.05 18:11

 主要指数はそろって続落。ハンセン指数は前営業日比2.27%安の2万9886.39ポイント、中国企業指数(旧H株指数)は1.73%安の1万1991.79ポイントだった。メインボードの売買代金は先週末に比べ約6%減少し、概算で1184億7000万HKドル。「港股通」(本土からの香港株投資)は上海経由が8700万元の売り越しに転じた。深セン経由は9億9900万元の買い越しだった(注文ベース:買注文と売約定の差)。

 米国のトランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムに追加関税を課す輸入制限措置を発動する方針を表明し、世界的な貿易摩擦への懸念が広がった。先週末のニューヨーク市場はダウ平均が4日続落。欧州連合(EU)が報復関税を検討するとけん制したことで、投資家心理は一段と悪化した。本日の香港市場は朝方の時間帯こそ上海市場の動きを追い風に堅調だったものの、すぐに急落。中国企業指数は前場の中盤で節目の1万2000ポイントを割り込んだ。その後も香港の主要指数は軟調に推移したが、上海総合指数は取引終了間際に小幅高となった。だが、上海市場の取引が終了したタイミングで、香港の主要指数は下げ幅を拡大。ハンセン指数の終値は12日ぶりに3万ポイントの大台を割り込んだ。中国企業指数も13日ぶりに終値で1万2000ポイントを下回った。

 第13期全国人民代表大会(全人代)第1回会議が開幕し、李克強首相の政府活動報告が材料視された。ハンセン指数の構成銘柄では、本土系通信株が大幅安。中国聯合網絡通信(香港)(00762.HK)が下落率1位の5.92%安、中国移動(00941.HK)が同5位の3.16%安だった。政府活動報告で通信料金の引き下げや通信事業の対外開放拡大などが言及され、これを嫌気した。

 香港系不動産株も売られ、新世界発展(00017.HK)が下落率4位の3.33%安だったほか、新鴻基地産(00016.HK)が2.82%安。香港政府財政司の陳茂波(ポール・チャン)司長が住宅ローン規制の緩和に消極的な姿勢を示したことが売り材料となった。米国の利上げ見通しを背景に、香港ドルの対米ドルレートが下落しており、香港からのマネー流出も懸念され、香港系銘柄の重荷となった。また、本日が配当権利落ち日の恒生銀行(00011.HK)は下落率3位の3.54%安だった。

 幅広い銘柄が売られるなか、本土系不動産株は最終的に下げに転じたものの、後場の中盤まで総じて堅調だった。中国海外発展(00688.HK)と華潤置地(01109.HK)がいずれもが0.54%安だったほか、碧桂園控股(02007.HK)が1.14%安。不動産税の草案作成が進められていることが明らかとなったが、これで政策の不透明感が払しょくされるとアナリストがポジティブに解釈し、本土系不動産株を推奨したことが材料視された。ハンセン指数の構成銘柄で唯一の値上がりは、舜宇光学科技(02382.HK)の0.93%高だった。(中国部・千原)
 
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