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【11月29日の香港市場】

2017.11.29 17:49

 主要指数は本日もまちまちだった。ハンセン指数は前日比0.19%安の2万9623.83ポイント、H株指数は0.49%安の1万1647.98ポイントと、いずれも小幅に3日続落。レッドチップ指数は続伸し、0.35%高の4357.77ポイントだった。メインボードの売買代金は昨日に比べ約8%減少し、概算で1096億2500万HKドル。「港股通」(本土からの香港株投資)の買越額は上海経由が25億1300万元、深セン経由が6億9500万元だった(注文ベース:買注文と売約定の差)。

 好調な年末商戦やトランプ政権の税制改革法案の進展などが好感され、前日の米国株市場ではダウ平均が大幅に上昇。過去最高値を更新した。米国経済の良好な見通しを追い風に、本日の香港株市場は主要指数が小高くスタートした。その後は朝方に起きた北朝鮮による大陸間弾頭ミサイル発射があらためて悪材料視され、やや神経質な地合いに終始。ハンセン、H株の両指数は概ねマイナス圏での小動きとなった。それでもレッドチップ指数は後場で上昇に転じ、小幅高で取引を終了。

 足元のA株市場のさえない地合いが嫌気され、本土系の保険・証券大手が低迷。平安保険(02318.HK)が1.90%安、中国銀河証券(06881.HK)が1.28%安、中信証券(06030.HK)が0.93%安、中国人寿保険(02628.HK)が0.57%安に沈んだ。また、超大型のIT株であるテンセント(00700.HK)が1.81%安と調整し、ハンセン指数の足を引っ張った。自動車大手が総じてさえず、BYD(01211.HK)は足下の販売減少への警戒感から2.34%安。成長スピードの鈍化が目立つ長城汽車(02333.HK)が1.92%安、東風汽車集団(00489.HK)が0.40%安だった。

 個別ではテレビ大手のTCL多媒体(01070.HK)が5.02%安と大幅に続落。低い割当価格や希薄化懸念などから株主割当増資の計画が引き続き悪材料視された。また、実質支配者の黄文集・主席が保有株を対価とする株式交換により、君陽金融(00397.HK)への公開買付を実施する計画が明らかになり、中国集成控股(01027.HK)が23.97%安に沈んだ。

 一方で米国の金融政策への不透明感が大きく後退したことで、香港で銀行業務を営む中銀香港(02388.HK)がハンセン指数構成銘柄の上昇率1位となる4.56%高、恒生銀行(00011.HK)が2.31%高、HSBC(00005.HK)が1.36%高と、底堅い。A株に連れ高して本土系不動産株が上昇し、万科企業(02202.HK)が5.10%高と好調。セメント価格の上昇を支えに、中国中材(01893.HK)が4.53%高、中国建材(03323.HK)が4.16%高、華潤セメント(01313.HK)が2.78%高など、セメント大手も物色された。(中国部・畦田)
 
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