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【9月11日の香港市場】

2017.09.11 18:03

 主要指数はそろって続伸。ハンセン指数は前営業日比1.03%高の2万7955.13ポイント、H株指数は0.64%高の1万1221.13ポイントだった。レッドチップ指数は3日続伸し、0.20%高の4329.46ポイント。メインボードの売買代金は昨日に比べ約7%増加し、概算で893億8300万HKドル。「港股通」(本土からの香港株投資)の買越額は上海経由が7億5200万元、深セン経由が2億9000万元だった(注文ベース:買注文と売約定の差)。

 先週末に米議会下院が米債務上限引き上げを承認したことで、当面の米国政府のデフォルト回避が確定した。これにより米国政治リスクが大きく後退すると、週明けの香港株市場では主要指数がプラス圏でスタート。ハンセン指数は節目の2万8000ポイントを目前に上値が重く、大台を突破できずに取引を終了したが、概ね本日の高値圏で推移した。H株、レッドチップの両指数は上げ幅をやや縮めて大引け。足元の人民元高や中国の強い輸入統計と物価統計が好感されたほか、北朝鮮の建国記念日だった9日を無難に通過したことも支援材料になった。もっとも引き続き朝鮮半島情勢の不透明感が強いほか、大型ハリケーンによる米国経済への影響も懸念され、一部で利益確定売りもみられた。

 大型IT株のテンセント(00700.HK)がハンセン指数構成銘柄の上昇率1位となる2.79%高で取引を終え、指数の上昇をけん引。今後は人工知能(AI)、クラウド、ビッグデータに注力すると経営トップが発言し、期待感が広がった。米アップル社の新製品発表会を控え、音響部品大手の瑞声科技(02018.HK)が同2位の2.64%高、光学部品に強い舜宇光学科技(02382.HK)が2.68%高と堅調。北朝鮮の建国記念日と米国の債務上限問題を無事通過したことで、金融リスクの低下を織り込み大型金融株がしっかり。外資系のAIA(01299.HK)が1.53%高、HSBC(00005.HK)が1.34%高と買われ、ハンセン指数の上昇に寄与した。

 また、足元の人民元高と原油相場の下落を受け、中国南方航空(01055.HK)が3.91%高、中国国際航空(00753.HK)が3.07%高と、航空大手が上昇。従来型自動車の将来的な販売停止の可能性を政府高官が示唆したことで、新エネルギー車関連の銘柄が物色された。電気自動車(EV)大手のBYD(01211.HK)が4.55%高、広州汽車(02238.HK)が3.25%高。個別ではセメントプラント大手の中国中材(01893.HK)が急伸し、12.56%高。株式交換を通じた中国建材(03323.HK)による吸収合併の計画が明らかとなり、買いが膨らんだ。

 一方で買収側の中国建材は大量の新株を発行することから、希薄化懸念で1.99%安。原油相場の下落が影響し、崑崙能源(00135.HK)が0.53%安、中国海洋石油(00883.HK)が0.21%安、中国石油天然気(00857.HK)が0.19%安と、石油株がさえない。また、霊宝黄金(03330.HK)が4.04%安、招金砿業(01818.HK)が3.84%安と、金鉱株も軟調だった。(中国部・畦田)
 
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