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【3月10日の香港市場】

2017.03.10 18:33

 主要指数はまちまち。ハンセン指数は反発し、前日比0.28%高の2万3568.67ポイント。H株指数は0.26%安の1万69.10ポイント、レッドチップ指数は0.11%安の3856.11ポイントと、いずれも小幅に続落した。メインボードの売買代金は前日に比べ約3%減少し、概算で685億8600万HKドル。「港股通」(本土からの香港株投資)の買越額は上海経由が7億2300万元、深セン経由が5億1500万元だった。

 ニューヨーク市場はダウ平均が4日ぶりに小反発。2月の米雇用統計の発表を前に手控えムードが広がるなか、利上げ見通しを背景に米長期国債の利回りが上昇し、金融株などが買われた。一方で原油相場が3カ月ぶりの安値を付け、石油株が下落する場面もあったが、押し目買いが入り、上げに転じて引けた。本日の香港市場は主要指数が小高く寄り付いたが、原油相場の下落を背景に本土系エネルギー株が売られ、H株指数とレッドチップ指数は朝方で下げに転じ、その後はマイナス圏で推移した。ハンセン指数は前場の終盤で下げに転じる場面もあったが、香港系の銘柄に支えられ、総じて堅調だった。

 ハンセン指数の構成銘柄では、九龍倉集団(00004.HK)が上昇率1位の8.67%高。好調な不動産販売を背景に16年12月本決算が33.80%増益、増配だったことに加え、投資不動産のスピンオフを検討していることが材料視された。そのほかの香港系不動産株が連れ高となり、恒基地産(00012.HK)が上昇率2位の1.45%高、恒隆地産(00101.HK)が同4位の1.32%高だった。ニューヨーク市場で金融株が買われたことを受け、AIA(01299.HK)が上昇率3位の1.41%だったほか、HSBC(00005.HK)が0.23%高だった。

 テンセント(00700.HK)は上昇率5位の1.23%高。弾道弾迎撃ミサイル・システムの配備をめぐり、中韓関係が悪化するなか、韓国製オンラインゲームをリリースしているテンセントへの影響が危惧されていたが、大きな問題にはならないと大手投資銀行が評価し、これが材料視されたもようだ。

 一方、昨日に続いて本土系エネルギー株の下げが目立った。石炭大手の神華能源(01088.HK)が3.13%安、石油株の中国石油化工(00386.HK)が1.52%安となり、2日連続で下落率1~2位に並んだ。そのほかでは中国石油天然気(00857.HK)が下落率3位の1.38%安、崑崙能源(00135.HK)が同4位の1.16%安だったほか、中国海洋石油(00883.HK)が0.67%安。また、中国人民銀行(中央銀行)が資金供給の買いオペを再び中止したことで、本土系銀行株が軟調だった。

 そのほかの銘柄では、有線寛頻通訊(01097.HK)が34.40%安。同社株の売却交渉を中止すると親会社の九龍倉集団が発表したうえ、資金援助を打ち切ると決定。事業終了のリスクが高まり、売りが膨らんだ。一方、会徳豊(00020.HK)は傘下の九龍倉集団の業績や株価急騰を背景に6.47%高だった。(中国部・千原)

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