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天順証券、中国民生銀行の傘下に

2017.03.09 14:01

 天順証券(01141.HK)は9日、主要株主と大株主が、保有株の大部分を中国民生銀行(01988.HK)と中国華融資産管理(02799.HK)に売却すると発表した。さらに中国民生銀行と中国華融資産管理は天順証券の新株を購入。最終的に中国民生銀行が天順証券の筆頭株主になるという。

 天順証券の主要株主の林海四氏と大株主艾青氏は、合計で34億2720万株に上る保有株(現在の発行済み株数の約19.23%)を中国民生銀行と中国華融資産管理に売却することで契約。売却価格は総額2億563万HKドル、1株あたり0.06HKドルに上る。中国民生銀行の購入株数は25億2720万株で、残る9億株は中国華融資産管理が取得する。

 天順証券は合計269億5000万株に上る新株を中国民生銀行と中国華融資産管理に発行することで契約。発行価格は総額8億6240万HKドル、1株あたりでは0.032HKドルで、2017年3月7日の終値0.315HKドルを約89.84%下回る。取得株数は中国民生銀行が250億株、中国華融資産管理が19億5000万株。これにより天順証券は諸費用を除いて8億5000万HKドルを調達し、事業拡大などに充てる。

 林氏らによる既存株の売却と新株の発行は、同時に実施される。

 今回の取引に合わせ、天順証券は株主に対し、中国軟実力(00139.HK)と未来世界金融(00572.HK)の株式を現物配当する計画。現在の状況に基づけば、配当比率は天順証券の株式1万株につき中国軟実力の株式682株、未来世界金融の株式177株となる見込み(変動の可能性あり)。権利落ち日などは未定。

 天順証券は払込剰余金29億6800万HKドルを取り崩し、累積損失16億5150万HKドルを削減することも計画。また、天順証券は子会社を2億500万HKドルで中国軟実力に売却する予定。この売却が完了した後に、1株につき少なくとも0.021HKドルの特別配当を実施するという。

 一連の取引を経て、中国民生銀行の天順証券に対する持ち株比率は最高で61.48%に達する見込み(天順証券のオプションが行使されない場合)。これにともない中国民生銀行は、未保有の天順証券の株式に対し、マンダトリー・オファー(義務的公開買付)を実施することになる。

 マンダトリー・オファーの提示価格は1株あたり0.06HKドルを予定している。提示価格は2017年3月7日の終値を80.95%下回る。中国民生銀行は天順証券の上場を継続する方針を示しているが、経営陣は入れ替えるという。

 今回の情報開示のため、同社株は2017年3月8日に売買停止となったが、2017年3月9日に取引を再開した。
 
【出所】香港証取サイト上の公告(2017/03/09)

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