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【10月31日の香港市場】

2016.10.31 18:14

 主要指数はまちまち。ハンセン指数は前営業日比0.08%安の2万2934.54ポイント、レッドチップ指数は0.71%安の3762.24ポイントと、いずれも5日続落。H株指数は5日ぶりに反発し、0.46%高の9559.39ポイントだった。メインボードの売買代金は先週末に比べ約9%減少し、概算で619億900万HKドル。「港股通」(上海経由の香港株投資)は売り越しに転じ、売越額は7億2900万元だった。

 先週末のニューヨーク市場は、米大統領選挙をめぐる不透明感を背景に、ダウ平均が小幅に続落。米連邦捜査局(FBI)がヒラリー・クリントン氏の私用メール問題を再捜査するという情報が流れ、投資家心理が悪化した。米大統領選にともなう海外市況の不安定感に加え、中国の製造業PMIの発表を翌日に控えた月末ということもあり、本日の香港市場は主要指数が低く寄り付いた。H株指数は銀行株が買われ、前場の中盤から堅調に推移。レッドチップ指数は、石油株、本土系不動産株などが重荷となり、軟調に推移。ハンセン指数は本土系銀行株に支えられ、前場の中盤から堅調に推移したが、保険株が重荷となり、後場の取引終了間際に下げに転じた。

 ハンセン指数は上昇銘柄の方が多かったものの、小幅安となった。時価総額の大きなAIA(01299.HK)が下落率1位の4.76%安となり、ハンセン指数の重荷となった。投資性の強い生命保険商品を本土住民が香港で購入するケースについて、銀聯カードの使用不可になるというニュースが流れ、これが大きな悪材料となった。原油相場の下落を嫌気し、石油株が売られた。なかでも中国海洋石油(00883.HK)は、16年7-9月期が14.5%減収だったこともあり、下落率3位の1.69%安。このほか、内需株の一角、本土系不動産株、カジノ株などが軟調だった。

 一方、長江地産(01113.HK)が上昇率1位の3.14%高。香港の金融街に位置する高層ビル「中環中心」(ザ・センター)を357億HKドルで売却するという情報が流れ、これが買い材料となった。また、時価総額の大きな本土系銀行株が軒並み堅調。16年1-9月期決算が無難な内容だったことから買われたもようで、交通銀行(03328.HK)が上昇率2位の1.72%高だった。国泰航空(00293.HK)は原油安などを好感し、上昇率3位の1.59%高だった。

 そのほかの銘柄では、東風汽車集団(00489.HK)が3.72%高。16年1-9月期決算が6.43%増益だったことを受け、アナリストが投資判断を引き上げたことを好感した。これに対し、広州汽車(02238.HK)は13.78%安。16年1-9月期決算は107.60%増益だったが、予想を下回ったとして目標株価を引き下げられたことが売り材料となった。(中国部・千原)

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