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【8月12日の香港市場】
2015.08.12 18:15
主要指数は大幅安となった。ハンセン指数は3日続落し、前日比2.37％安の2万3916.02ポイント。H株指数も大幅続落で、1.96％安の1万1042.79ポイント。レッドチップ指数は4日ぶりに反落し、3.22％安の4338.05ポイントだった。メインボードの売買代金は前日に比べ約7％増加し、概算で1029億9200万HKドル。今月に入り、初めて1000億HKドルを超える大商いとなった。「港股通」（上海経由の香港株投資）は8億1500万元の買い越しだった。
人民元の急落を受けて米国企業の輸出減少や中国経済の不透明感が高まり、前日のニューヨーク市場はダウ平均が急反落。その余波は商品相場にも及び、ニューヨークWTI原油先物も大きく調整した。世界的なリスクオフに傾き、本日の香港市場はろうばい売りが加速。主要指数は安く寄り付くと、後場でも下げ幅を広げた。本日も人民元の基準レートや外為市場での実勢レートが大幅な元安に傾き、人民元の先安感が一段と強まった。さらに、午後に発表された中国の経済指標も振るわず、投資家心理が一段と悪化。中国本土・香港からの資本流出の観測が売りに拍車をかけた。特に本土系銘柄が売り込まれ、H株指数はザラ場で1万1000ポイントを割り込む場面も。ハンセン指数は約5週間ぶりに2万4000ポイントを下回った。
人民元安の悪影響を特に受けるとみられるセクターが総崩れの状態となった。人民元建て資産を多く抱える本土系不動産株が急落し、中国海外発展（00688.HK）が8.31％安、華潤置地（01109.HK）が8.00％安で、ハンセン指数構成銘柄の下落率1、2位。人民元ビジネスの低迷が警戒され、香港系金融機関の中銀香港（02388.HK）が同3位の7.77％安に沈んだ。本土系航空株が大幅続落し、中国南方航空（01055.HK）が6.95％安、中国国際航空（00753.HK）が5.79％安、中国東方航空（00670.HK）が3.66％安。製紙セクターも低迷し、玖龍紙業（02689.HK）が5.10％安、山東晨鳴紙業'H'（01812.HK）が3.40％安で引けた。
さらにマカオのカジノ株も大幅安。8月のカジノ収入の下振れが警戒され、サンズチャイナ（01928.HK）が5.20％安、銀河娯楽（00027.HK）が4.77％安だった。香港地場系の消費関連株も低迷。マカオ・香港株の下落の背景として、人民元安による本土旅行者の購買力低下への懸念があげられる。
一方で大手商社の利豊（00494.HK）は人民元安による恩恵が期待され、上昇率1位の2.79％高。香港地場系の公益株にはディフェンシブ狙いの買いが入り、中電控股（00002.HK）が1.30％高、電能実業（00006.HK）が0.62％高、香港中華煤気（00003.HK）が0.25％高と堅調だった。（中国部・畦田）
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