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【5月29日の香港市場】

2015.05.29 18:26

 主要指数はいずれも小幅に3日続落。ハンセン指数は前日比0.10%安の2万7424.19ポイント、H株指数は0.55%安の1万4103.81ポイント、レッドチップ指数は0.64%安の5176.19ポイント。メインボードの概算の売買代金は2047億6800万HKドルで、前日とほぼ同水準。「港股通」(上海市場からの香港株投資)の買越額は8億7200万元だった。

 週末の香港市場は概ね神経質な地合いが続いた。前日の上海株急落のショックは本日も残り、H株指数はA・H重複銘柄が足を引っ張るかたちで軟調に推移。CFLP製造業PMIの発表を週明けに控え、中国経済の想定以上の減速に対する警戒感も重しになった。さらに来週はギリシャの債務問題が山場を迎えることも影響。主要指数はいずれも続落して今週の取引を終えた。もっとも、上海総合指数は本日も調整したが、大幅安は回避。これにより香港市場でも混乱が収束しつつあり、主力銘柄の一角に押し目買いもみられ、指数の下げ幅も限られた。

 来週のOPEC(石油輸出国機構)総会では産油国の減産が見送られる見通し。原油相場の先安観は根強く、中国海洋石油(00883.HK)が2.10%安、中国石油天然気(00857.HK)が1.60%安、中国石油化工(00386.HK)が1.30%安と、三大石油株が続落した。業界全体の生産低迷と在庫増加が嫌気され、石炭株も続落。ヤン州煤業(01171.HK)が4.31%安、中煤能源(01898.HK)が0.42%安とさえない。また、深セン市政府が住宅購入制限策を堅持するとあらためて発表。北京首創置業(02868.HK)が5.61%安、保利置業(00119.HK)が5.11%安など、不動産株が概ね軟調だった。特に大手の恒大地産集団(03333.HK)は増資計画が嫌気され、26.91%安も急落。さらに、本土系の消費関連株も引き続き低迷。康師傅(00322.HK)は目標株価の引き下げを受け、2.25%安に沈んだ。本土系以外の銘柄も多くが続落。ダイナムジャパン(06889.HK)は大幅減益の本決算を受けて5.43%安となった。
 
 一方で前日に急落した銀行セクターに押し目買いが目立った。本土系では中国建設銀行(00939.HK)が1.83%高で、ハンセン指数構成銘柄の上昇率2位。香港系も東亜銀行(00023.HK)が1.01%高、HSBC(00005.HK)が0.95%高と買い戻された。さらにリスク回避の思惑から金鉱株が堅調。先に大型の鉱山買収計画を明らかにした紫金砿業(02899.HK)が1.46%高。招金砿業(01818.HK)は9.17%高も急騰した。また、医薬株に押し目買いが入り、山東羅欣薬業(08058.HK)が8.35%高、山東新華製薬(00719.HK)が7.87%高、復星医薬'H'(02196.HK)が7.39%高。個別では業務用ソフトウエア大手の金蝶国際(00268.HK)が4.90%高。大手投資銀行による目標株価の大幅引き上げが好感された。(中国部・畦田)

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