中国株ニュース 詳細
雷士照明、会社支配権をめぐる抗争が再び勃発
2014.08.20 14:24
雷士照明(02222.HK)は20日、最高経営責任者(CEO)を解任された呉長江・執行董事(執行取締役)が不当不法に董事会(取締役会)の決議に反する行動を続けており、同社の経営に悪影響を及ぼしていることから、重慶市の子会社の運営を一時停止すると発表した。また、広東省恵州市のオフィスに臨時本部を設けることも明らかにしている。
同社の董事会は2014年8月8日の会議で呉長江・執行董事のCEO職を解くと決定。解任の理由は呉長江・執行董事に不当行為があったためという。また、呉長勇氏(呉長江・執行董事の実弟)、穆宇氏、王明華氏にも不当行為があったとして、副総裁職から外すと決定した。
董事会の説明によると、呉長江・執行董事は2012年に同社の複数の子会社に対し、20年間にわたり「雷士」ブランドの使用を認める商標使用権許諾契約を締結。これは董事会が承認したものではなく、呉長江・執行董事が無断で署名したものであり、最近になって複数の董事(取締役)に明かされたという。
こうした事態を受け、同社の董事会は王冬雷・董事長など3人で構成される緊急事務処理委員会を設置。これに社内調整や情報開示などの権限を授けた。
だが、呉長江・執行董事は董事会の決定には従わず、同社の董事会は職業道徳に反すると批判。こうしたなか同社の四大工場の一つである重慶市万州区の工場(万州工場)では、呉長江・執行董事を支持する従業員によって、2014年8月8日から操業停止状態に陥った。地方政府が仲裁に乗り出したが、現在のところ結果は出ていないという。
このため同社は万州工場の銀行口座からの支払いを全面的にストップするよう銀行に要請。また、重慶市の子会社の銀行口座についても同様の措置を取った。このほか広東省恵州市の子会社についても一部の支払いをストップする措置を取ったと説明している。
なお、メディア報道によると、王冬雷・董事長は同社の財務部門、法務部門、オフィスを実効支配するため、2014年8月8日に60人近くを率いて本社に乗り込み、呉長江・執行董事のアシスタントと運転手に暴行を振るったという。この事件で王冬雷・董事長は公安当局に連行されたという情報が流れたものの、現在は自由に活動しているもようだ。
一方、王冬雷・董事長は呉長江・執行董事の会議での発言について、録音した内容をメディアに公開。また、呉長江・執行董事はギャンブルが原因で4億元の負債を抱え、利息の支払いでも毎月1000万元を支払っているという情報を得たと、王冬雷・董事長は説明していおる。
呉長江・執行董事には2012年にも当時の経営陣と対立。呉長江・執行董事を支持する工場がストライキを起こす騒動となった。王冬雷・董事長は呉長江・執行董事の復帰を手助けした人物だが、会社支配権をめぐって激しく争う事態となった。
一連の事態を受け、同社株は2014年8月11日から売買停止となっている。
(同件につきましては、2013年1月15日付「呉元董事長がCEOに就任」、2012年9月5日付「臨時運営委員会を設置」、2012年8月28日付「前董事長の復帰をめぐり協議」、2012年8月22日付「工場操業停止の報道を否定」、2012年8月15日付「ストが収束」、2012年7月18日付「前董事長と現経営陣の対立が激化」をご参照ください)
【出所】香港証取サイト上の公告(2014/08/20)
「明報」(2014/08/08)
- 外国株式のリスク
- 外国株式等は、株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。また、為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等により、損失が生じるおそれがあります。
- 外国株式取引の手数料について
-
外国株式取引の手数料はお客様の取引形態により違いがあるため、投資にかかる手数料についてはこちらをご確認ください。
外国株式取引は、クーリング・オフの対象にはなりません。
- 中国株の株価・企業情報などについて
- 株価情報の提供元や表示内容、表示方法のご説明、また配当情報の注意点などを記載しています。
詳しくは中国株の株価・企業情報などについてをご覧ください。
- 米国株の株価・企業情報などについて
- 株価情報の提供元や表示内容などを記載しています。
詳しくは米国株の株価・企業情報などについてをご覧ください。
-
ニュース
-
決算・上場スケジュール
-
STOCKVOICEオンデマンド放送
-
便利なツール・サービス
-
ゼロから始める中国株入門