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B株銘柄の配当に対する課税について(2010年の状況)

10.05.14

【概要】

 B株銘柄の配当に対し、現地で企業所得税(法人税)を徴収する動きが広がっています。ただ、徴収の有無は各企業や各地方の税務当局の対応によってまちまちであり、同じ2009年期末配当をめぐっても、徴収されるケースと、されないケースに分かれています。

 当社は中国から日本へ送金された配当金を基準に、お客さまの口座に入金します。このため当社お客さまが受け取るB株銘柄の配当についても、現地で税金が徴収されている場合があります。また、株式配当に相当する株式分割(無償交付)も、課税対象になるとみられます。

 新しい税制をめぐっては、運用面でかなりの混乱が生じています。実際の配当金の入金状況をみなければ、徴収の実施を確認することは困難となっています。また、制度や税率が今後変わることも想定されますので、当社ホームページ等では今後も税金が差し引かれる前の配当金額を表示いたします。

【背景】

 当社お客さまがH株上場企業やレッドチップ企業から受け取る配当金をめぐっては、すでに企業所得税の徴収が始まっています。2008年1月1日から「中華人民共和国企業所得税法」と「中華人民共和国企業所得税法実施条例」が施行されたためです。2008年9月18日付でお知らせしましたように、こうした税金徴収の動きがB株上場企業にも広がるのではないかと、当社では推測していましたが、大部分のB株上場企業は2008年期末配当から税金を徴収することはありませんでした。

 しかし、大部分のB株上場企業が2008年期末配当を完了した後、国家税務総局は2009年7月24日付で、「B株上場企業についても、海外企業(非居住法人)である株主から税金を徴収する」という主旨の文書を出しました。この文書により税金を徴収することが明確に示されました。これを受け、まだ配当を実施していなかった上海金橋輸出加工区開発(900911.SS)は、税金を徴収することを2009年8月19日付で発表しました。

 当社お客さまが保有するB株は、海外企業である当社の名義となっています。このため当社お客さまが受け取る配当から、税金が徴収されることになりました。

 2009年期末配当を実施する時期になり、税金を徴収するB株上場企業が増加しています。ただ、前年のように税金を徴収しないB株上場企業もあります。具体的な例としては、安徽古井貢酒(200596.SZ)は税金を徴収しましたが、内モンゴル伊泰石炭(900948.SS)は徴収していません。現在のところ、配当をまだ実施していないB株上場企業の数が多く、全体像が不透明なうえ、税務当局の対応にも不確定要素があります。状況に変化がありましたら、あらためて当社ホームページ等でお知らせいたします。

【今後の見通し】

 広大な中国では法律・規則の運用・解釈をめぐり、各地方の行政機関による対応にばらつきがあることが多々あります。こうした問題は上層機関の指示などにより、しだいに修正・統一されることもありますが、放置されることもあります。配当課税をめぐる問題はこうしたケースの典型といえます。

 B株上場企業の配当から税金を徴収するケースは増加傾向にありますが、これは2008年期末配当で税金を徴収しなかったことを当局が問題視したためと考えられます。2009年期末配当の実施状況も依然としてばらつきがあることから、再び税務当局から指示がある可能性もあります。税金を徴収するケースがさらに増加する可能性もありますし、税務当局が混乱している実情を考慮して制度運用を変更することも想定されます。

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