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【6月7日の香港市場】

2017.06.07 18:23

 主要指数は小動きに終始。ハンセン指数は前日比0.08%安の2万5974.16ポイントと、わずかに反落した。H株指数は僅差で続伸し、0.04%高の1万611.46ポイント。レッドチップ指数はかろうじて3日続伸し、0.005%高の4108.07ポイント。メインボードの売買代金は前日比で約17%増加し、概算で869億8900万HKドル。「港股通」(本土からの香港株投資)は上海経由が再び売り越しに転じ、売越額は約9200万元だった。深セン経由は引き続き買いが多く、買越額は6億2800万元。

 本日の香港株市場は膠着感が鮮明な地合いに終始。主要指数は概ね狭いレンジでもみ合い、ハンセン指数は昨日に続いて終値での2万6000ポイント回復に失敗し、わずかに反落した。H株、レッドチップの両指数はもみ合いながらも、取引終了間際に終値をかろうじてプラス圏に乗せた。本日の上海A株市場の好地合いが支援材料になった。人民元高や原油高も香港株の地合いを支えた。一方で前FBI長官の議会証言、英国とフランスの選挙、欧州中央銀行(ECB)理事会、米連邦公開市場委員会(FOMC)などの重要イベントが今後続くことから、様子見ムードが一段と強まる状況。中東情勢の混迷で地政学リスクも意識された。

 音響部品メーカーの瑞声科技(02018.HK)が取引を再開し、13.65%高でハンセン指数構成銘柄の上昇率1位。空売り業者によるネガティブレポートの内容を全面否定する説明公告をあらためて明らかにし、買い戻す動きが広がった。6月のカジノ収益も堅調な伸びを示すと複数のアナリストが予想。これを受けてマカオのカジノ株が物色され、銀河娯楽(00027.HK)が同2位の3.84%高、サンズチャイナ(01928.HK)が同4位の1.88%高だった。原油相場の反発を受けて石油株の中国石油化工(00386.HK)が1.09%高、中国海洋石油(00883.HK)が0.33%高と買い戻された。また、「雄安新区」のプラン策定が6月末にも完了し、中央政府の審査を受けることになる見通しとなり、建材・鉄鋼株を中心に関連銘柄が買われた。北京金隅(02009.HK)が8.87%高、中国建材(03323.HK)が7.83%高、中国中材(01893.HK)が6.38%高。このほか、本土系不動産株の一角が買われ、万科企業(02202.HK)は筆頭株主の深セン市地鉄集団が同社株の追加取得を検討中と伝わって、5.18%高と値上がりした。

 一方、前日買われた香港系不動産株の一角が利益確定売りに押された。信和置業(00083.HK)が1.85%安、新鴻基地産(00016.HK)が1.69%安で、ハンセン指数構成銘柄の下落率1~2位。米大手格付け会社が中国の銀行セクターの流動性低下に懸念を示したことから、中国建設銀行(00939.HK)が1.51%安、中国銀行(03988.HK)が0.76%安に沈んだ。また、欧州で相次ぐテロ事件の発生が投資マインドを悪くし、中国南方航空(01055.HK)が1.58%安、中国国際航空(00753.HK)が1.00%安など、空運セクターが低迷した。

 個別では中国本土で百貨店事業を展開する香港財閥系の新世界百貨中国(00825.HK)が42.85%高。親会社の新世界発展(00017.HK)による非公開化(上場廃止)の計画が明らかとなり、提示価格付近に急騰した。(中国部・畦田)

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