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【5月9日の香港市場】

2016.05.09 18:33

 主要指数はまちまちだった。ハンセン指数は前営業日比0.23%高の2万156.81ポイントと、6営業日ぶりに小反発。レッドチップ指数は小幅ながらも実に11営業日ぶりに上昇し、0.05%高の3569.16ポイントだった。一方でH株指数は6営業日続落に沈み、0.24%安の8450.72ポイント。メインボードの売買代金は先週末比で約2割縮小。概算で546億1600万HKドルにとどまり、約1カ月ぶりの薄商いだった。なお、「港股通」(上海経由の香港株投資)は12億8500万元の買い越し。

 先週末に発表された注目の米雇用統計は市場予想を下回る内容になった。これを受け、6月の利上げ観測が大きく後退すると、米ドルの先安感が拡大。これにより、先週末の米国市場では株式や原油先物が上昇した。これを追い風に、週明けの香港市場では主要指数が高くスタート。前営業日までにハンセン、H株の両指数が5日連続、レッドチップ指数に至っては10日連続で調整しており、自律反発狙いの買いもみられた。もっとも、寄り付き後は神経質な地合いに転換。ハンセン指数はプラス圏を維持したものの上げ幅はかぎられたほか、レッドチップ指数はかろうじて終値ベースで反発。H株指数はもみ合いを経て、わずかにマイナス圏で引けた。4月の中国の貿易統計で輸入が大きく下振れし、景気回復の期待感が大きく後退。『人民日報』の論文で低成長の長期化と金融緩和による景気刺激策のリスクが強調されるなど、政策期待も萎み、香港株の上値を抑えた。

 米国の利上げ観測の後退を受け、香港地場系の不動産株が堅調。九龍倉集団(00004.HK)が3.08%高でハンセン指数構成銘柄の上昇率1位で引けたほか、恒基地産(00012.HK)が1.19%高、新鴻基地産(00016.HK)が1.09%高、新世界発展(00017.HK)が0.55%高。本土系では消費関連株の一角が買われ、蒙牛乳業(02319.HK)が2.11%高、恒安国際(01044.HK)が1.82%高だった。国際金相場の上昇観測を背景に、紫金砿業(02899.HK)が4.47%高、中国黄金国際(02099.HK)が3.27%高、招金砿業(01818.HK)が1.74%高など、金鉱株が堅調だった。自動車株の一角も上昇。広州汽車(02238.HK)は4月の堅調な自動車販売台数を手がかりに、1.20%高。また、個別では製薬大手の上海医薬(02607.HK)が0.86%高としっかり。日本の漢方薬大手であるツムラと合弁会社を設立する計画が好感された。

 一方、石炭会社の操業停止のニュースが相次ぎ、石炭株が低迷。中煤能源(01898.HK)が3.62%安、内モンゴル伊泰石炭'H'(03948.HK)が1.95%安、ヤン州煤業(01171.HK)が1.87%安と、いずれも重複上場する本土株に連れ安した。中国の金融緩和の観測が後退したことを受け、遠洋地産(03377.HK)が4.03%安、緑城中国(03900.HK)が2.65%安など、本土系不動産株の一角もさえない。また、証券各社の業績が4月に軒並み落ち込んだことから、広発証券(01776.HK)が1.54%安、中信証券(06030.HK)が1.36%安など、証券大手が安い。(中国部・畦田)

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