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【11月10日の香港市場】

2015.11.10 18:18

 主要指数はそろって続落した。ハンセン指数は4営業日連続で下落し、1.43%安の2万2401.70ポイント。また、H株指数は1.82%安の1万314.74ポイント、レッドチップ指数は2.00%安の4088.54ポイントと3日続落し、下げ幅も大きかった。メインボードの売買代金は先週末に比べ約3%増加し、概算で821億5300万HKドル。「港股通」(上海経由の香港株投資)は5億7400万元の買い越しだった。

 弱い中国の貿易統計に加え、経済協力開発機構(OECD)が世界経済の成長見通しを下方修正。さらに米国の12月利上げの観測も一段と強まり、前日の米国株市場では主要指数が大きく下げた。外部環境の悪化を受け、香港の主要指数は安くスタート。その後も徐々に下値を切り下げ、いずれも安値引けした。ハンセン指数は7営業日前の水準に後退。レッドチップ指数は約1カ月ぶりに4100ポイントを割った。本日発表された中国の10月の物価指標は、消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)のいずれもデフレリスクを裏付ける数値にとどまった。中国の需要不足が警戒され、海外投資家のマインドを冷やした。

 デベロッパーの投資意欲の低迷や経営者の厳しい市況見通しが明らかとなり、本土系不動産株が下落。華潤置地(01109.HK)が4.38%安、中国海外発展(00688.HK)が4.13%安で、ハンセン指数構成銘柄の下落率1、3位に沈んだ。緑城中国(03900.HK)は10月の不動産販売額が大きく落ち込んだことから、4.12%安。また、米国の利上げ観測が重しになり、香港系不動産株もさえない。OECDによる世界成長見通しの下方修正を手がかりに、外需関連株が軟調。パソコン世界大手の聯想集団(00992.HK)が同2位の4.23%安、大手商社の利豊(00494.HK)が4.09%安。

 前日買われた証券セクターは引き締め的な政策導入への警戒感から反落し、中国銀河証券(06881.HK)が2.44%安、中信証券(06030.HK)が2.36%安、海通証券(06837.HK)が2.13%安。個別では香港系建設株の新昌営造(00404.HK)が3.65%安に沈んだ。保有する新昌管理集団(02340.HK)の株式をめぐる売却交渉が打ち切りになり、これが嫌気された。支配権交代の観測も萎み、新昌管理集団も7.40%安と売り込まれた。
 
 一方で前日上場した大手投資銀行の中金公司(03908.HK)は騰勢を維持し、5.07%高で大引け。また、金相場上昇の観測から、金鉱株の招金砿業(01818.HK)が5.11%高、霊宝黄金(03330.HK)が1.60%高。個別ではファスナーメーカーの開易控股(02011.HK)が急騰。公開買付の概要を発表し、提示価格が時価を大きく上回ることから、17.83%高と急伸した。(中国部・畦田)

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